よそものの京都。

関東生まれ・四十路男のブログです。「よそ者」が感じる京都の楽しさを書いていきます。

アガル・サガル・イル

「京都ならでは」として有名なひとつに、独特な住所表示があります。


正式には、京都市○○区○○町○番地という住所があるのですが、
「○○通○○上ル」と称します(郵便もこれで届くようです)。
これは、京都市内のすべてではなく、いわゆる「碁盤の目」になっているゾーンにかぎられますが、


交差するAという通りとBという通りを軸にして、

  • A通B上ル=A通とB通の交差点を北に
  • A通B下ル=A通とB通の交差点を南に
  • A通B東入ル=A通とB通の交差点を東に
  • A通B西入ル=A通とB通の交差点を西に

というように、2つの通りの交差点から入る方角を「上ル・下ル・入ル」と表現して、その地点を表します。
(ちなみに、それぞれ「アガル・サガル・イル」と読みます。)


たとえば、京都市役所は、東西に通る「御池(おいけ)通」と南北に通る「寺町(てらまち)通」の東北の角にあり、かつては正面玄関は寺町通に面していました。
このため、「京都市中京区寺町通御池上ル」と表示します。

 

これは、観光客にとっても、便利です。
まず、地元の方に道を尋ねる場合や、タクシーに乗る場合。
○○区○○町に行きたい、といきなり言われても、多分困られるはずです。
「四条(しじょう)西洞院(にしのとういん)にはどう行ったらいいですか?」とか、
「川端と松原の交差点お願いします」
といえば、スムーズに話が進むと思います。

それと、自分のいる場所の把握がしやすいこともメリットです。
京都の市内の中心部にいると、迷ってしまうことがあります。
目だったランドマークがあれば別ですが、普通の街並みだと既視感に襲われます。
そんなとき、電信柱などに表示されている「柳馬場通押小路下ル」という地名をみれば、自分が柳馬場通押小路通の交差点から南に下がったところにいる、ということがわかるわけです。


さて、問題は、その通り名を覚えないといけないということなんですが、続きは別の記事で。

 

この記事にかかわって役に立つサイト

東京から引っ越してきた人の作った京都小事典
http://www.toshiomi.net/kyotojtn/kyotojtn.htm

文字通り、50歳を過ぎて東京から京都に引っ越して来た方が作られているサイト。ここの「上ル下ル入ル」の項目にはわかりやすく解説されています。