よそものの京都。

関東生まれ・四十路男のブログです。「よそ者」が感じる京都の楽しさを書いていきます。

前口上~ブログをはじめるにあたって~

私は京都が好きです。

 

もともと、歴史好きでお寺や神社が好き。
また、幼少のころから、家族旅行で京都にたびたび足を運んでいた関係もあり、なじみ深い土地でした。

 

そんな私が本格的に京都にはまりだしたのは、いまから6年前。
以来、関東の地から足を運ぶことを楽しみに、せっせと通っています。

 

報道などでは、現在の京都はさまざまな問題を抱えているといいます。
インバウンド需要による観光客の激増による市内の渋滞、市バスの混雑、民泊の問題。
さらに、古きよき町家が取り壊されたり、古くからの風趣が失われつつある、ともいわれます。

 

言うまでもなく、京都の町は、京都市民のものです。
ですが同時に、京都の町は、国籍を問わず、多くの人に足を運ばせる「何か」を持った町だとも思います。

 

このブログでは、そんな「何か」に魅入られた私が、私なりの京都について、綴っていこうと思っています。

 

題名を「よそものの京都」と、ある種ネガティブにも聞こえる題名にしたのは、住まいせぬ私には分からないことがいっぱいある、でも、「よそもの」だからわかることもある、という思いからです。

 

所詮は、よしなしごとのブログですが、少しでも誰かのお役に立てれば、と思っています。

アガル・サガル・イル

「京都ならでは」として有名なひとつに、独特な住所表示があります。


正式には、京都市○○区○○町○番地という住所があるのですが、
「○○通○○上ル」と称します(郵便もこれで届くようです)。
これは、京都市内のすべてではなく、いわゆる「碁盤の目」になっているゾーンにかぎられますが、


交差するAという通りとBという通りを軸にして、

  • A通B上ル=A通とB通の交差点を北に
  • A通B下ル=A通とB通の交差点を南に
  • A通B東入ル=A通とB通の交差点を東に
  • A通B西入ル=A通とB通の交差点を西に

というように、2つの通りの交差点から入る方角を「上ル・下ル・入ル」と表現して、その地点を表します。
(ちなみに、それぞれ「アガル・サガル・イル」と読みます。)


たとえば、京都市役所は、東西に通る「御池(おいけ)通」と南北に通る「寺町(てらまち)通」の東北の角にあり、かつては正面玄関は寺町通に面していました。
このため、「京都市中京区寺町通御池上ル」と表示します。

 

これは、観光客にとっても、便利です。
まず、地元の方に道を尋ねる場合や、タクシーに乗る場合。
○○区○○町に行きたい、といきなり言われても、多分困られるはずです。
「四条(しじょう)西洞院(にしのとういん)にはどう行ったらいいですか?」とか、
「川端と松原の交差点お願いします」
といえば、スムーズに話が進むと思います。

それと、自分のいる場所の把握がしやすいこともメリットです。
京都の市内の中心部にいると、迷ってしまうことがあります。
目だったランドマークがあれば別ですが、普通の街並みだと既視感に襲われます。
そんなとき、電信柱などに表示されている「柳馬場通押小路下ル」という地名をみれば、自分が柳馬場通押小路通の交差点から南に下がったところにいる、ということがわかるわけです。


さて、問題は、その通り名を覚えないといけないということなんですが、続きは別の記事で。

 

この記事にかかわって役に立つサイト

東京から引っ越してきた人の作った京都小事典
http://www.toshiomi.net/kyotojtn/kyotojtn.htm

文字通り、50歳を過ぎて東京から京都に引っ越して来た方が作られているサイト。ここの「上ル下ル入ル」の項目にはわかりやすく解説されています。

京都をどのように旅するか。

国内・海外を問わず、あらゆる旅に通ずるところであるとは思うのですが、私が京都へ行くときに心がけている3つのことがあります。

 
①旅のあいだの荷物はなるべく身軽にする

②移動の選択肢はなるべく広く持つ

③日程を詰め込まない。潔く日程を変える決断も大事

 
旅慣れた人には、当たり前じゃないか、という話ですが、意外とこれができてない、という方も多いのではないでしょうか。

 
例えば、①などは、いま京都で問題になっている市バスの混雑問題と密接に絡みます。

そもそも観光客が増えていることに加えて、その観光客がバスにスーツケースなど大きなを持ち込めば、混雑が酷くなるのは、当然といえば当然です。

ひとくちに、「身軽に」といいますが、2つの要素があります。

まずはそもそも「身軽」で京都にやってくる、ということ。

コンビニやドラッグストアも発達しているきょうび、いざとなれば必要な品物は、京都で調達できます。また、よほどひどい宿に泊まらなければ、洗面用具などは備え付けになっています。不必要な荷物は持ってこない、ということです。

もうひとつは、来てからの「身軽」ということ。

これについては、色々と工夫できることがありますが、おいおい記していこうと思います。

いずれにしても、単純に言って、寺社には石段や玉砂利があり、多くの観光客でごったがえす中を大荷物を持ってヒイヒイ言いながら移動して、旅を楽しむのは至難の技ではないでしょうか。

 

 ②については、例えば、京都駅から金閣寺にどのように行くか、で考えてみます。

 京都駅前にはバスターミナルがあり、たくさんのバスが発着しています。

その中に205系統という市バスがありますが、行先表示に「金閣寺」とあります。

それを見て、まず金閣寺へ行こうという場合、これで移動する方も多いと思うのですが、実は、地下鉄で北大路駅まで行き、直結しているバスターミナルからバスに乗った方が早いです。

乗り換えをしないといけないのは確かに面倒ですが、バスに乗る時間は短いので、押し合いへしあいしなければならない時間は確実に減ります。

 

京都市内には、市バスの他に、路線バスも数社、市営地下鉄が2路線、JRも場所によっては使えますし、私鉄も京阪、阪急、近鉄叡山電車嵐電とあります。

市内ならレンタサイクルを使うのも便利ですし、タクシーが便利なのはいうまでもありません。そして徒歩。平坦な中心部であれば、何気ない街並みを移動するのも立派な旅になります。

 
そして何より、日程を詰め込み過ぎないこと。

京都は比較的コンパクトな街ですが、観光地は盆地の市内だけでも東西南北に点在しています。

さらに、北の大原、鞍馬、貴船、三尾、西の嵯峨野、南の伏見、醍醐、さらに宇治などの観光地まで入れたら、かなりの広範囲になります。長期滞在ならともかく、1泊2泊で、大原と宇治の両方を回ろうとするのは、不可能ではないけれど、かなりタイトです。

絶対に行きたいポイントを決めるのが、まず第一。それ以外に、回れたら、というポイントを入れていく。その際は、できれば、絶対に回りたいポイントの近くのほうがいいです。

 

そして、実際回ってみて、時間が足りなくなったら、思い切って次回まわし!と割り切ることが大事です。

実際には、予定していても、道路の渋滞や、バスの待ち時間、バス停から目的地までの歩き時間など、余分な時間はかかるものです。大きな寺社の場合、門から建物までに時間がかかることも考慮に入れることが大事でしょう。

 

もうひとつは、詰め込みすぎると、急場に対応できないということが出てきます。体調や天候など、突発的な要素もそうですが、ここでいう急場というのは、町中を歩いていて、思いがけず興味深い寺社を見つけた、面白そうな店やさんがあった、おしゃれなカフェを発見、といったときに、分刻みのスケジュールを組んでしまっていたら、泣く泣く通り過ぎざるを得なくなる可能性が高くなるということです。

 

今日は、最低こことここには行く!、あとは気分は次第で、という旅の方が楽しいのではないか、と私は思うのです。

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